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MDTW5型製品コンセプト

 MDTW5型はプラスチック成形工程の温度監視に特化した無線ネットワークです。プラスチック成型用の成形型や製品品質影響を与える温度変化に敏感な部分を監視して、製品品質維持するのに役立ちます。本製品は埼玉県在住の樹脂成形メーカとタイアップして、4年に及ぶ長い年月を掛けて完成させた製品です。その間に1型から始まり5型に至って製品として完成を見たという経緯が御座います。

樹脂成型に於ける温度監視の重要性

 樹脂成形に於いて成形型の温度監視は製品品質を維持する為に必要な条件の内、最重要条件と言っても過言ではないでしょう。また、温度条件がずれたまま製品製造を継続すると、知らない内に不良品の山を築くことになります。何故、成形作業中に温度監視が必要なのか事例を追ってみていきましょう。

樹脂成形機には熱電対式の温度計が成形型の温度監視をしていますが?

はい、どの樹脂成形機メーカの装置にも熱電対を用いた温度計が装備されています。しかし、多くの場合熱電対の数は1台です。樹脂成形機が稼働中は温度を継続的に測定し、表示してくれます。しかし、成形型は金属の塊で比較的大きいので成形が行われる部分と成形型表面との温度が異なります。また、溶解した樹脂をチャンバー内の充填した後は、樹脂を固化させるために冷水を送ります。そして、また樹脂を流し込める温度まで加熱すると言った温度サイクルを踏みます。樹脂原料は有機化合物であるため、温度条件を間違うと樹脂が劣化し、製品品質を著しく落とす結果になります。つまり、樹脂成型機が装備している温度計だけで成形プロセスの温度管理をするのは不十分であり、成形型に穴を空け、熱電対を差し込んで温度を測定されているメーカさんも存在します。

成形作業は一発勝負! 一気に同一製品を生産する必要があります。

通常、同一製品は休み無しに生産する場合が多い様です。それは成形型を製品製造の適正温度まで加熱し、安定させるまでに時間と電気代が掛かるからです。、成形型は大きな金属の塊であるが故に温度が緩やかに変化します。成形型の温度調節をするヒータは成形型の大きさから言えば局所制御に近いと言えます。ヒータの熱が成形型全体に広がるには長い時間を要します。その結果、成形型の温度は長い周期で変化します。変化の頂点と最下点で決められた温度範囲を逸脱する場合が出てきます。従って、成形型の温度制御には成形型の多くの点で温度測定することが望まれます。

樹脂の種類によって成形適正温度が異なる。

樹脂成形メーカの多くは異なった樹脂原料をを用いて製品を製造しています。使用する樹脂原料の溶解温度は切歯50度前後のものから切歯150度を超えるものまであり、様々です。樹脂材料の溶解温度が常温から離れれば離れるほど成形型の内部温度と表面温度に差が生まれます。したがって、樹脂成形機内臓の温度計では成形型の温度分布を正確に知ることは難しくなります。

製品により温度監視基準が異なる

樹脂成形製品と一口に言っても様々なものがあります。販売価格が安い製品は製造条件や品質も比較的緩いものが多いですが、高価な製品は高い製品品質が求められ、当然温度管理幅が厳しくなります。高価な製品の代表例が半導体を収納するトレイです。これらを製造する場合は製造時に細心の注意が求められます。

成形機に取り付けるための工夫は

測定用熱電対は圧着端子接続 これに簡単に接続するには

 K型熱電対用回路が標準装備

 MDTW5型には第1チャンネル用にK型熱電対の測定回路が標準で装備されています。熱電対の圧着端子を左図の圧着単子用端子台に固定するだけで温度測定が可能になります。

圧着端子は測定子機の上面から端子台に挿入され、ネジで固定されるので測定中に脱落する心配はありません。

成形機に測定子機を簡単に取り付けるには

裏面にネオジウム磁石が4個

測定子機は強力なネオジウム磁石が4個ついています。この磁石が鉄系の外壁であれば、何処にでも測定機器を固定します。また、この磁石は非常に強力であるため、強い力で押されない限り、その場所に測定子機を固定してくれます。これにより、何処でも設置が可能となりました。下図は成形機上で設置した場合を表しています。

小さい体に熱電対用回路を装備

 MDTW5型の測定子機は3測定ポート仕様です。第1ポートには熱電対を、第2ポートには交流センサー用アンプが、第3ポートには直流センサー用のアンプが標準装備されています。